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143-太平洋協会発足記念レセプション報告

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太平洋協会発足記念レセプション報告

新生太平洋協会の発足

 去る10月2日、一般社団法人太平洋協会の発足を記念するレセプションが、東京プリンスホテルの鳳凰の間で行われた。当日は、政界、官界、経済界、学界、マスコミ、在京島嶼国大使館、そしてスポーツ界からも、太平洋に関わりのある方々が多数参集し、新組織の誕生を祝った。

 またこの日は、太平洋・島サミットの中間閣僚会議を直前に控えた、岸田文雄外相が自ら出席して祝辞を述べ、安倍晋三総理からもメッセージがとどいた。それは、国内唯一となる太平洋島嶼地域に特化する交流・研究機関の発足に寄せられる期待が、殊のほか大きいことの現れだろう。

安倍晋三自由民主党総裁からのメッセージ

民間外交の担い手として期待

 一般社団法人太平洋協会の発足、おめでとうございます。
 今日、太平洋の重要性がますます注目されるようになった国際社会において、我が国と太平洋島嶼諸国との関係もまた、その重要度を増しております。1997年以来、歴代の総理が6回にわたって「太平洋・島サミット」を実施してきたのは、そのためです。
 このような我が国の外交活動を民間レベルで支えて来られたのが、これまでの「太平洋諸島地域研究所」でしたが、この度、組織改編して新たに発足した「太平洋協会」には、一層の期待が高まります。官民あげての交流と協力の強化こそ、太平洋に平和と安定、そして繁栄をもたらすと思うからです。

ご活躍を期待し、ますますの発展を祈念しております。

岸田文雄外務大臣祝辞

対島嶼国外交は、オールジャパンで

 ただ今、ご紹介にあずかりました外務大臣の岸田文雄でございます。本日は太平洋協会の発足、真におめでとうございます。名誉会長の森元総理また北野会長を初め、関係者の皆さま方に心よりお喜びを申し上げさせて頂きたいと存じます。
 太平洋協会の歴史を振り返りますと、日本ミクロネシア協会、そして太平洋諸島地域研究所の時代を経て、40年にわたり研究誌の発行やセミナーの開催、さらには研究者の育成など、大変なご活躍を積み重ねて来られました。こうした活動を通じて、太平洋島嶼国と我が国との友好関係の促進に貢献されておられますことに、心から敬意を表したいと存じます。
 太平洋の島嶼諸国は、歴史的にも大変親日的な地域であり、国際社会にあっても、我が国に対する極めて安定的な支持基盤となつております。さらにまた、我が国にとって大切な資源供給地域であり、それらの輸送路としても重要な場所です。
 そうした地域の重要性を踏まえて、我が国は1997年以来、太平洋島嶼国首脳との対話の場を作るために、3年に1度の「太平洋・島サミット」を開催してまいりました。今年も10月に中間閣僚会議を東京と仙台で開催する予定で、私が議長を務めさせて頂くことになっております。その際に、太平洋協会の皆様方には「離島開発」について研究していただき、その成果を参加各国に披露をして頂くという予定にしております。
 今後とも、太平洋島嶼国との間で築き上げてきた関係を、さらに良いものに発展させていくために、皆さま方と手を携えて、オールジャパンで取り組んで参りたいと存じます。是非、ご協力をお願い申し上げる次第であります。

 終わりに、重ねて太平洋協会の新たなる門出を心からお祝い申し上げるとともに、皆様方のご健勝をお祈り申し上げて、外務大臣としてのお祝いの言葉とさせて頂きます。真におめでとうございます。 (文責編集部)

森喜朗名誉会長の挨拶

島嶼諸国が支える海、大国支配であってはならない

 ご紹介いただきました森でございます。
 ここへ参りまして、皆さまのお顔を見ると「ああ、太平洋の島々、国々を、何らかのかかわりで大事に大事にして下さっている方々ばかりだなあ」と、本当に嬉しく感じました。
 私が総理になってすぐに宮崎で「島サミット」がございまして、それからずっと太平洋島嶼の皆さんのお世話をしたり、相談相手になったりしてまいりました。今日はミクロネシア連邦のフリッツ大使もおられますが、私は特に、ミクロネシアとの関係を感じておりました。というのも、私の父がミクロネシア、当時のトラック島で終戦を迎えて帰国したからです。
 私は1937、昭和12年にシナ事変が始まった時に生まれましたので、物心がついた頃には親父の顔は見られず、親父の愛も感じることなく過ごしました。親父は各地をずっと転戦しており、1945年の最後の任地であるトラック島で終戦を迎えました。父親に初めて会ったのはトラックから帰国した時、私は小学校2年生。それ以来、トラック島で地元の皆さんから様々にお世話になったという話を何度も聞かされました。もうお亡くなりになりましたけれど、フリッツ大使の叔父にあたるアイザワ酋長のお母様が、父や父の率いる部隊にいつも手作りのお弁当を届けて下さったという話には、本当に感激をいたしました。
 また、偶然にも、日本の子供たちをミクロネシアのトラック島に連れて行くというプログラムを知りました。今から40年も前でしょうか。「爺さまが行っていた島だから、お前も行ってこい」と私の倅もそのメンバーに入れてもらい、彼は私より先にミクロネシアへ行きました。その時に引率をされたのが、今日ここで司会をされている小林さんでしたが、彼がいつまでも若く見えるのは太平洋のお陰なんだな、と思っています。
 私もそれから何回かミクロネシアに、そしてその他の島々にも行っておりますが、この度、その小林先生が中心となって新たな太平洋協会を発足させるということになり、私は本当に嬉しさでいっぱいであります。その際に、皆様からこの協会の「会長になれ、会長になれ」と言われましたが、私はすでに引退しており、できるだけ仕事をしないようにと思っていましたので、「会長にはもっと立派な人を選べ、まじめな人を選べ」と言ってきたのです。そしてその役目を、もっともまじめな北野さんがお引き受けくださったので、本当に喜んでおります。
 北野さんがなぜまじめかと言いますと、北野建設というのは日本の冬季にやるスキーという夢のあるスポーツを一番大事にして下さっている、スキー振興を一生懸命やって下さっている会社だからなのです。スケートはプリンスさんがおられますが、スキーは北野さん。そのような北野さんが会長にお就きいただけるのであれば素晴らしい。ならば私は喜んで用心棒になりましょう、と思いました。
 政治的な話はなるべく申し上げない方がいいとは思いますが、太平洋にある14ヵ国にも様々な課題があります。いずれも大事な国ばかりです。そして実は、日本もまた一番大陸に近い太平洋の島国に過ぎないのであって、同じ太平洋島嶼国家と言えるだろうと思います。それゆえ、同じ島嶼国仲間として、これからも仲良くして行くことが大切です。
 「太平洋は、大国が支配する海だ」とよく言ったり、そう思ったりする人たちがおりますが、実際には、太平洋の島国が支えている地域だというふうに、私は理解しております。そして、その一番端に日本が存在しているのだという実情を忘れないように、謙虚にこれからも多くの国々と親しくさせて頂くということが大事で、これがこの協会の設立主旨であります。
 私はラグビーが大好きなのですが、島嶼諸国メンバーの中にはトンガとかサモアとか日本をやっつける強い国がありまして、ほとほと手を焼いております。けれども、いずれ堂々とした互角の戦いができるように、我がラグビー協会も一生懸命努力して行きたいと思っております。

 いずれにせよ本日は、太平洋の国々、そして島々を大事にしようという、お集まりいただいた皆さま方のお考えとご支援によって、この太平洋協会ができましたことに、心から御礼を申し上げます。また、スキーを大切にされておられる会社の社長である北野会長におかれましても、雪のない地域ではありますが、どうかよろしくお願いを申し上げます。そして、関係島嶼14ヵ国がますます発展を遂げますように、また本日お集まりの皆々さまの一層のご健勝をお祈りして、ご挨拶といたします。  (文責編集部)

会長 北野貴裕 挨拶

交流には地域理解が重要、協会はそれに尽力したい

 本日は、ご多忙の中、太平洋協会の発足記念の会にご参加くださり、有り難うございました。政界、官界、経済界、学界、そして太平洋島嶼各国の大使閣下、さらにはスポーツ・文化団体に至るまで、各界の要人の方々がここにご参集いただけましたことは、真に有り難く、心より御礼申し上げる次第でございます。これもひとえに、「太平洋」という縁をもとにご参集いただいたものと、真に有りがたく思っております。
 先般、就任させていただきました太平洋協会の会長としてこの場に立ちますと、あらためて身の引き締まる思いでございます。と申しますのも、皆様ご存じの通り、近年の国際情勢の変化によって、太平洋島嶼諸国の国際的位置づけが大変に重要になってきているからであります。政治的、経済的、あるいは安全保障や環境問題の面においても、かつてないほどに重要性を増しておます。
 先ほど司会者からの説明もありましたが、本組織は当初「日本ミクロネシア協会」として発足。それから「太平洋諸島研究所」、そしてこの度「一般社団法人太平洋協会」と名称変更して再出発いたしましたが、近年、「これからは海洋外交の時代である」とよく言われるようになりました。従来は、いわゆる海が隔絶の原因になると思われていたのですが、その発想を変えて、むしろ海は国々を繋ぐ海路であると見るならば、島嶼諸国はまさに日本の隣人です。それゆえに島嶼諸国は、太平洋を共有する大切なパートナーであると位置づけることが必要なのではないでしょうか。
 14ヵ国ある島嶼国は、ほとんどが発展途上国です。ただ、世界の他の途上国とは違って、飢餓や地域紛争、治安不安というものは、ほとんどありません。我が国のような大きな産業とか人口はありませんが、そこには独自の文化や生活様式があり、独特の「幸福感」を持ち合わせております。それゆえ、島嶼諸国へのアプローチには、島嶼の方々の幸福感が如何なるものなのかを充分に認識しておくことが大事ではないでしょうか。島嶼地域の繁栄や発展に貢献しながら、友好関係を発展させるためには、こうした島嶼国理解が不可欠です。よって、これら島嶼理解に繋がる情報提供に関しては、私ども協会が果たしていける、果たすべき役割であり、これからはこの部分にも力を入れた協会活動を進めて行こうと考えております。
 幸いにも、新たな組織の出発に当たり、豊富な国際的人脈を有し、太平洋問題にも大変詳しい元内閣総理大臣の森喜朗先生が名誉会長に就任していただけることになりました。後ほどお見えになりますので、お話を伺えることと思いますが、森先生は、現在3年ごとに行われている太平洋島サミットの原型を作り上げた総理大臣でもあり、当協会としても最強の味方を得たと思っております。
 とはいえ、実際に我が国と島嶼諸国の関係を強固に発展させていくためには、政府はもちろん、経済界であり、学界であり、さらには国民レベルのスポーツや文化に携るそれぞれの方々のご協力、ご支援は欠かせません。それゆえ、本日ご参集の皆様方におかれましては、こうした太平洋協会の志をお酌み取りいただきまして、どうか私どもと一緒に活動していただきたい、あるいはご支援を賜わりたく、お願い申し上げる次第でございます。今後とも格段のご指導とご鞭撻をお願い申し上げ、私のご挨拶とさせていただきます。本日は、真に有り難うございました。

 

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